2008年12月09日
ミュンシュのサン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」
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ボストン交響楽団は、ミュンシュによって彼らの黄金時代を築いた。
いっぽうでアンサンブルの規律が弛緩したというきびしい意見もあるが、ミュンシュの健康で輝かしい、豪壮な力感をもった音楽は、やはり空前絶後の芸術を生み出したといってよい。
このサン=サーンスの「オルガン付き」は、そうした彼らの代表的名盤のひとつである。
もちろん、ミュンシュとしても最盛期の演奏であるだけに、きわめてスケールが大きく、激しい生命力が噴出するように示されている。
この指揮者らしい、細部にこだわらない率直な表現が好ましいが、2つの楽章ともにオルガンが導入される後半は、強い共感にあふれ、聴き手を感動させずにはおかない。
すなわち、第1楽章ではやや遅めのテンポでたっぷりと旋律を歌わせており、第2楽章の後半は光彩渦巻く壮麗な響きの嵐を体感させてくれる。
ボストン交響楽団の演奏も絹のようになめらかな弱音から、響きが豪快に屹立するトゥッティの効果まで、彼らの全力を傾けたアンサンブルを聴かせる。
もちろん、サン=サーンス特有の対位法の処理は明快そのものである。
作品の独自の書法とおもしろさが、強い説得力をもって表わされている。
こうした曲なので、録音効果も非常に重要である。この場合、一般のCD(RCA)とXRCDの高音質盤(ビクター)の2種があるが、演奏まで新鮮に聴かせてしまう後者が、断然おすすめである。
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