2008年12月12日
内田光子のドビュッシー:12の練習曲
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ドビュッシーの書いたピアノ独奏用のための最後の作品。
彼はこの曲の最後に「ショパンの思い出のために」ということばを記している。このことからも、いかに彼がショパンの音楽を敬愛していたかがよくわかるであろう。
曲は2集からできており、各集には6曲ずつが入っている。
この練習曲には、作品に知的にアプローチする能力、知的解釈と音楽的感性を一体化させる能力、そしてそれをリアリゼーションする演奏技術と造形力における完璧性など、今日のピアニストに要求されるすべてのものがある。
内田光子の演奏はそうした要素を完全に満たした、実に素晴らしいものだ。
彼女の各曲に対する見事なまでの的確な解釈は、それぞれの曲の個性を2倍にも3倍にも強く聴き手に理解させる。
内田の演奏には、常に彼女の感性と知性によって洗い直された"新しい美"の発見がある。
このドビュッシーの練習曲をいささか難解で不得手な聴き手をも納得させ、魅了してしまうだけの濃い内容を持っている演奏である。
知に流れず、理に走らず、情に流されない。
知性・理性・感性(感受)のいずれもが、絶妙なバランスで融合し合い、それを集中力に満ちた技術が、見事に音化している。
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