2008年12月21日
ブレンデルのリスト:ピアノ・ソナタ
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このソナタは、超絶技巧的な要素と瞑想的な要素をどのように結びつけるか、どのようにバランスをとるか、ということが極めて難しい作品であり、経験不足とか中途半端な状態では決して立ち向かうことのできない厳しい音楽ということができる。
これは聴き手にも要求されることで、このソナタを聴こうというときにはある種の緊張感が生ずるが、その緊張感を曲が終わるまで持続させ、聴き終わった後の満足感と疲労感を強く覚えさせるのがブレンデルである。
ソナタは少しも背伸びしたところのない、緩急自在の堂に入った演奏であるが、それでいて内面的な緊張は鋭く、このソナタを長すぎると感じさせない。
この曲の技巧的な華麗さを強調せず、内面的に深く掘り下げた演奏をおこなっている。
ブレンデルならではの音色の美しさも聴きものだ。
たいていのリスト弾きがこのソナタを拡散した感じで弾くのに対し、ブレンデルは凝縮した感じの演奏をしている。
このあたりが彼の優れた解釈、感覚であろう。
彼の爽やかな技巧は他の曲にもよく表れており、冷静に音を運びながらもつねに思索的なブレンデルの名演の前には、リスト嫌いといえども耳を傾けたくなろう。
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