2008年12月27日
バックハウスのベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
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バックハウス(1884-1969)はまぎれもなくドイツが生んだ大ピアニストであり、生涯をピアノ演奏に捧げた巨匠である。
特にベートーヴェンの解釈で高い評価を受けた彼の残した名盤は、この協奏曲集も含めて、現在でもベートーヴェン演奏の規範のひとつとされる。
ところで、彼は1899年からオイゲン・ダルベールに師事したが、さらに辿ってゆくと、ベートーヴェン〜チェルニー〜リスト〜ダルベール〜バックハウス、という師弟関係が成り立つ。
そしてバックハウスは、自らが受け継いだドイツ・ピアニズムの伝統をかたくなに守る姿勢を貫き、しかもその演奏解釈をこれまで誰もなし得なかったところまで深く深く掘り下げた。
彼がベートーヴェンの解釈にひとつの時代を築いた規範とされる所以である。
このアルバムはバックハウスの1958年と59年の録音ということで、その演奏には彼が枯淡の域に到達していることが窺えるが、ドイツの伝統を汲む正統的な解釈や古典的な格調の高さは、現代にあってもこのうえない価値をもつものと言えよう。
第1番から第5番「皇帝」まで、どの曲にも巨匠の風格を如実に感じさせるソロが聴ける。
それは重厚で深みがあり、毅然とした風格が漂う。
一方、指揮者シュミット=イッセルシュテットとのコンビも強力である。
彼は各楽器を充分に響かせて、深いコクのある味わいをオーケストラから引き出し、バックハウスのピアノをしっかりと支えている。
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