2009年01月02日
コープマンのモーツァルト:後期交響曲集
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オルガニストではなく指揮者コープマンの小柄な体躯から迸るエネルギーは尋常ではない。
どこまでもモーツァルトであって、それでいて前衛的な現代音楽の趣を感じさせるところがある。
ピノックやガーディナーやブリュッヘンやホグウッドにはない魅力が溢れる。
第39番は少人数の古楽器演奏で、テンポの速い、すっきりとした運びだが、そのなかにセンス満点の遊びがあって愉しい。
金管のアタックはフレッシュだし、リズムは飛び跳ね、弱音は静謐、超スピードのメヌエットを経て、フィナーレのコーダにはスコアにはないティンパニが!
第40番は曲のもつ異常さはそれほどでもないが、最上の古楽演奏が培った演奏様式の生み出すテクチュアの明晰さでは随一。
ある意味では古典派音楽の様式をグロテスクなまでに解体した作曲者のテクストが鮮明になり、曲の人工的な側面を伝えてあますところがない。
コープマンの視点は3つ、ダイナミックな表現の起伏、作品がもたらす自由さ、そしてアヴァンギャルド的大胆さである。
それは「ジュピター」に見事に集約されており、瞬間瞬間にドラマを見る面白さが連続、息もつかせない、生身の作曲者像を追求した熱演だ。
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