2009年01月03日

ゼルキン/ブダペストSQのブラームス:ピアノ五重奏曲


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ブダペスト弦楽四重奏団は1917年に結成され、27年にヴァイオリンにロイスマンが入って以来世界最高の四重奏団として活躍、戦後アメリカに移って1955年から最後の黄金期に入り、ちょうど開発されたステレオ録音によって多くの名演を残すことができた。

このゼルキンとのブラームスの五重奏曲は、同時期に録音されたブラームスの四重奏曲全集や、ヴィオラにトランプラーが入ってのモーツァルトの弦楽五重奏曲の名演と共に、この四重奏団の代表的な録音とされている。

ブラームスのピアノ五重奏曲はシューマンの同じ五重奏曲と同様に、ピアノと弦が同等に重要な作品で、逞しい力動とロマン的な情緒が演奏に色濃く表れないと面白くない。

ゼルキンは長い期間ブッシュと組んでアンサンブル・ピアニストとして演奏してきた。

このブラームス作品では、そのキャリアが見事に生かされている。

ゼルキンとブダペスト四重奏団が一致協力して生み出すブラームスの重く、苦い感情表現は、さすがにどっしりと根が張っており、リアリティがある。

ブダペスト弦楽四重奏団の緊張感溢れる響きのなかで、ゼルキンのピアノが躍動するその熱演は、現在のクールな四重奏団とピアニストでは望めない厚い密度でもって聴き手を作品の内部へと導いてゆく。

なにかに憑かれたようなブラームスの激しい感情が、とりわけ第4楽章のフィナーレで聴かれるが、その激しさの中に決して晴れることのない胸のつかえがクローズアップされ、聴き手に強く訴えかけてくる。

名クヮルテットと名ピアニストが組んだ、まさに理想的な名演だ。

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classicalmusic at 04:56コメント(2)トラックバック(0)ゼルキン | ブダペストSQ 

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コメント一覧

1. Posted by yoshimi   2009年01月03日 15:15
こんにちは

この演奏は夏頃に聴いて、厳しく突き詰めたような響きに噴出する激情と切迫感があって、さすがにゼルキンとブダペストSQの演奏は凄いと思ったものです。
ブラームスにしては明るく爽やかなポリーニ&イタリアSQ盤を聴いた後だったので、特にその違いが良く分りました。私はどちらの演奏も好きです。
2. Posted by 和田   2009年01月03日 19:47
yoshimiさんコメントありがとうございます。
この曲に関しては、私もゼルキン/ブダペストSQとポリーニ/イタリアSQが双璧だと思います。
ブダペストSQの偉大さは、今さら云々しなくてもいいという気がします。
しかし、これは漠然とした印象にすぎないのですが、我が国では、こと室内楽や弦楽のジャンルでは、マイナーあるいはミドルの演奏家が等身以上に喧伝される傾向にあるように思われます。
だから1960年代まではやっぱりブダペストなどと強調せずにはいられない気もするのです。
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲など、たとえば(黙ってひそかに愛好すべき)バリリSQなどとは技術も楽曲の読みもスケールも、つまり芸術の格が違います。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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