2009年01月04日
スウィトナー/コンダクツ・モーツァルト
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いずれも秀演で、モーツァルト解釈家としてのスウィトナーの存在を強く印象づける。
いずれも典雅でふくよか、明快な印象を与える演奏は、現代における最も円満なモーツァルト集成といってよい。
スウィトナーのすぐれた音楽性を示した演奏であり、妥当なテンポと典雅な表情、柔らかい旋律線と爽快なリズムが渾然一体となって、実に端正に音楽をつくっている。
シュターツカペレ・ドレスデンの古雅で晴朗な響きと完全に息の合ったアンサンブルの美しさは、他には求められない魅力であり、モダン楽器による現代のコンサート・スタイルの演奏としては第一級の表現だ。
オケがすばらしく優秀なので、速めのテンポをとった「ハフナー」第1楽章など唖然とするほど見事なアンサンブルを聴かせる。
室内楽風に編成を小さくしているので音の透明度が高く、アンサンブルの細部まで透けて見えるようだ。
しかも木管などしっとりとして味わい深く、あらゆる意味でモーツァルトの美しさを満喫させる名演といえよう。
特に第32番と第34番は、精彩にみちた表情でさわやかな音楽をつくっている。
第40番の素直な造形、作品の比類ない精緻な美しさを無理なく示した表情、また古典的な透明感を的確に表出した「ジュピター」、それぞれが指揮者とオケの純粋な音楽性の賜物といえよう。
サウンドは味わい深く、しかも全てがよい意味での良識と中庸を感じさせる表現だ。
はつらつとしたリズムによる流動感の豊かなモーツァルトである。
かつての大指揮者たちのスケールの大きさはないが、古典主義的な作品の様式を素直に受けとめ、あるがままを描いており、全体はきわめて音楽的だ。
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