2009年01月07日
アシュケナージのシューマン:ピアノ作品集
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アシュケナージの円熟を示す名演集だ。どの曲も磨き抜かれた音色で、ロマンティックに仕上げた演奏であり、人肌の温もりとしっとりとした叙情をたたえた秀演である。
アシュケナージの演奏は、これまでと変わらぬ純音楽的表現の高さと円熟味を示しており、今日のシューマン演奏のきわめてすぐれたスタンダードを示す。
隅々にまで、神経のよく行き届いた演奏で、すこぶる繊細な音楽をつくりあげながら、シューマンのロマン的表現を過不足なく、率直に具現している。
ここでのアシュケナージはシューマンの音色の限りなくよき理解者であって、およそ作品として書かれたものの何ものをも見過ごさず、また何ものをも付け加えようとはしない。
表現様式における装飾性は完全に切り捨てられており、シューマンの音楽の本質に迫っている。
彼のシューマンからは気負いや熱中は感じられず、むしろ淡々としているが、それでいて味わい深い。
曲それぞれ、楽想それぞれの性格や気分を充分に生かしきった演奏で、タッチの質、強弱、アーティキュレーションの細やかさが、各曲の各部分にくっきりとしたプロフィールを与え、全体の設計も見通しもよく行き届いている。
ピアニストとして最も脂の乗ったころの演奏で、聴き手に誠実で清潔感の溢れた音楽性と、さらにはるかなるものへの憧れの気持ちを感じさせる。
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