2009年01月15日
ハイフェッツのラロ:スペイン交響曲&ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番
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ラロは昔はなぜか4楽章版で演奏した。カットされた第3楽章はとても魅力的な部分なので不思議だ。
ハイフェッツ盤は、第3楽章がカットされていることや、モノーラルでオケの響きなどが少し不明瞭な点が惜しまれるが、演奏内容だけを考えるともはやこれ以上は望むことができないほどで、ハイフェッツの情熱的で切れ味の良いソロが聴き手を唸らせる名演になっている。
録音は古いが、こうした曲を弾かせてハイフェッツの右に出る者はいない。
それは単なる技巧や解釈の問題ではなく、彼の中に色濃く流れる後期ロマン派的な気質が曲の目的とするものと見事に一体化しているからである。
完璧なテクニックを駆使して、シャープでスマートに作品を語り継いでいく彼の演奏は、たぎるような情熱や濃密な情念にも少しも欠くことはなく、それは、これがほとんど理想的な名演であることをはっきりと印象づける結果を生んでいるのである。
ここに示されたハイフェッツの表現は、相変わらず非の打ちどころのないテクニックの冴えと、しなやかな語り口を際立った特色としているが、一方では熱っぽい表情やロマンティックな感情移入などを随所にみせており、このエキゾティックな名作の魅力を余すところなく描き切っている。
終楽章の巧さなどベラボーなもので、かつて有名だったフーベルマン(SP)も、ハイフェッツにはかなわない。
この曲の一つのドキュメントだろう。
完全全曲版ではないが、この作品の代表盤としての評価を今後も保ち続けていくことだろう。
ヴィエニャフスキの驚くほど裾野の広いリリシズムの世界も、ハイフェッツの巨匠たるゆえんを、いやがうえにも伝えるものだ。
ヴァイオリンを少しでも弾いているひとには必聴と言っておこう。
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