2009年01月22日
ヴァルヒャのバッハ:ゴルトベルク変奏曲
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この《ゴルトベルク変奏曲》は、さまざまなピアニストたちによる才気溢れる名演が軒を連ねており、それらを聴き比べながら味わうことは、私たちがこの作品を鑑賞する際の大きな楽しみといってよいだろう。
しかし、強い個性やユニークな創意を特色とした名演とは反対に、自然で癖のない名演をどうしても求めたくなることがあるのも、私たちの当然の欲求であろう。
このヴァルヒャ盤は、そうした時に私に最高の喜びを与えてくれる演奏である。
ヴァルヒャの多くのバッハ録音の中でも、「ゴルトベルク変奏曲」は注目すべき1枚だろう。
例によって生真面目な、そして実に綿密な演奏を聴かせる。
ヴァルヒャの演奏には意外性がないので、少し慣れるとどのように弾き進んでゆくかが予想できるのだが、それにもかかわらずこの長大な曲を、少しも飽きさせずに聴かせるところにヴァルヒャの優れた力があるのだ。
ヴァルヒャは、作品をじっくりとかみしめながら、オーソドックスで衒いのない語り口に深い情趣を滲ませた演奏を繰り広げている。
傾向としては明らかに地味な部類に属するこの演奏は、強烈なアピールや目を引く特徴などを有しているわけではないが、その誠実で折り目正しい表現は、ヴァルヒャの作品に対する深い愛情や理解を感じさせるものであり、聴き手に本物の演奏に接した満足感を与えてくれるのである。
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