2009年01月27日
バーンスタインのシベリウス:交響曲第2番
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新盤はウィーンのムジーク・フェラインザールでのライヴ録音で、きわめて劇的な熱演だ。
いかにもユダヤ人のバーンスタインらしく、テンポを遅めにとり、じっくりとうたわせながら豪快に表現していて、その大胆な演出力には圧倒されてしまう。
堂々とした巨匠的風格を、実に彫りの深い表現のなかに示している。
間もたっぷりととられており、表情が濃密だ。
第1楽章の冒頭から牧歌的な明るさと清澄な感覚美、第2楽章の悠然とした歩み、第3楽章の各部の対照の鮮烈さ、そして、終楽章における孤独に連なる哀愁感。
これはバーンスタインの演奏のなかでも、最も創造的な名演といえる。
ことに北欧の重く暗い気分を情緒纏綿と表出した、第2楽章は絶妙だ。また終楽章の雄渾な盛り上げ方も見事で、あたかもストーリーのある、一大交響詩でも聴くかのような気がする。
メンゲルベルクの再来を思わせるような、スーパー・ロマンティシズムを感じる。
旧盤ではバーンスタインが、まさに自己の感じたシベリウスを率直に表現したといえる。
やや陰影に乏しいものの、終楽章は骨組が太くてたくましく、どの部分をとっても明快な表現で個性的な音楽になっている。
「フィンランディア」はニューヨーク・フィルの響きの特徴がよく示され、大柄で力に満ちた音楽を聴かせる。
「トゥオネラの白鳥」も音そのものの明確な効果が印象に残る。
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