2009年01月31日
ドラティのチャイコフスキー:眠りの森の美女
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30代のほぼ10年間をモンテ・カルロのロシア・バレエ団の指揮者として過ごすなど、自他ともに認めるバレエのスペシャリストであったドラティがその円熟期に残したこの演奏は、細部まで的確に構成された明快でシンフォニックな表現とバレエとしてのドラマをバランス良く合わせそなえている。
入り組んだリズム処理に、抜群の手腕を発揮するドラティならではの、あざやかな指揮ぶりに驚嘆させられる全曲盤である。
ドラティはいかにもヴェテランらしい、貫禄十分の名演を展開している。
この曲の交響的な性格をあますところなく生かしながら、構成的な美しさを尊んだ演奏だ。
ドラティの指揮は設計が綿密で、しかも演出と表情づけが実にうまく、「ワルツ」「バラのアダージョ」「パノラマ」などを聴くと、あの夢幻的な舞台の雰囲気が手にとるようによくわかる。
こうした表現は実際の舞台の経験が豊富なこの人ならではのもの。
豊麗なオーケストラの音色も、このグランド・バレエにふさわしく、メロディー・メーカー、チャイコフスキーの旋律美を存分に堪能することができる。
全曲を通じて、各場面の変化に富んだ描き方も秀逸で、まさに"バレエの神様"ドラティの面目躍如たる会心の演奏。
ドラティという指揮者の並々ならぬ底力のほどを、あらためて思い知らされるような演奏といえよう。
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