2008年12月25日
ガーディナーのバッハ:クリスマス・オラトリオ
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ガーディナーの新鮮この上ないバッハだ。これは18世紀が昨日であったかのように、身近にきこえてくる名演で楽しい。
ガーディナーは、ドイツ風の厳粛な宗教曲のスタイルとはまったく異なった、人間味あふれた、生き生きとしたバッハ像を描き出している。
ガーディナーは生気のあるリズム、躍動するような音楽づくり、軽く透明な音響像でこの作品を演奏してみせる。
無類に楽しく、適度に庶民的、肩の張らないこの演奏の核はリズム処理にあり、生命の根源としてのリズムの多様さを次から次へと描き出す。
「クリスマス・オラトリオ」は、作品の性格上、「マタイ」などの受難曲以上にガーディナーの明るく丁寧で優しい表現が生きてくる。
しかし、優しいといっても単に滑らかなだけではなく、リズムの躍動感、ポリフォニーのドラマティックな処理など、積極的な表現意欲に溢れているのが何よりもすばらしい。
作品に付された喜ばしさと、音楽する根源にある喜びとが、この曲の演奏で一体となったとでも言うべき稀有の成果である。
ソリストにも優れた人々が揃っているが、気負いはなく、ことさら歌唱のうまさを前面に出すこともなく、日常生活の中から歌い出してきた自然さに包まれている。
無理に個性を殺すことなく、かといって出しゃばり過ぎず、自然な歌唱で安心して聴ける。
特に自在で正確かつ音楽的な歌唱のベーアが図抜けている。
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