2009年02月05日
インバルのマーラー:大地の歌
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マーラーの交響曲でも特に独唱者の力量が問われる作品だが、ヴェテランのシュライアーと新進のネスを起用しているのが興味深い。
独唱のふたりの歌唱が光っている。
〈交響曲〉とは名ばかりのこの作品だが、思い切って歌曲の方に引きつける演奏がなかなかなかった。
ようやくインバルがそれをやってみてくれた。
すると歌曲としては、やたらと壮大でものものしすぎる。奇怪な作品像が見えてくる。変な曲だ。
このあたりの時代を得意とするネスと、ロマン派どまりのシュライアーの、アンバランスも面白い味を出している。
ただしシュライアーは、ぎょっとするようなグリッサンドなどで頑張っており、いつもの端正なシュライアーではけっしてない。
インバルの指揮も、このふたりを支えて、情感豊かに表現しており、彼のマーラー・シリーズのなかでの傑出した演奏のひとつになっている。
しかも、インバルはオーケストラを見事に統率して、リズミックな推進力をもった音楽を作っており、感覚的にもみずみずしく、音楽的にもすこぶる精緻だ。
この曲の作品そのものの本質に迫った注目すべき出来映えの演奏である。
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