2008年12月18日
シノーポリのヴェルディ:リゴレット
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シノーポリ盤は、まるで名医の整形手術を受けて、美人に生まれ変わった「リゴレット」だ。
シノーポリの主観が強く正面に打ち出された演奏で、彼は、歌手たちを自分の意のままに動かしながら、全体を極めてドラマティックにまとめている。
その緊張感にあふれたコクのある表現は、この人ならではのものである。
しかも神経は細やかに行き届き、その語り口は生き生きとした魅力にあふれ、息もつかせずリゴレットの悲劇に一部始終を聴かせてしまう。
シノーポリのテンポ設定はまさに絶妙で、リコルディ新校訂譜に基づいており、しかも歌手たちは慣習的なヴァリアンテを行わない。
彼の入念なスコア解釈と強い表出意欲によって、独特の存在感を持っている。
特に第3幕の演出のうまさは格別だ。
ブルゾンのリゴレットも充実し、数あるこの曲の録音でも最良のひとつ。
ブルゾンの知性と暗さ……それが暴力を誘発する……には凄味がある。
豊麗なグルベローヴァも魅力的。
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