2009年02月07日
ブレンデル&ラトルのベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
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全5曲とも非常に名演であるが、特に第1番は何度聴いても絶品といえる出来だ。
特にブレンデルのタッチはゾッとするほど美しいし、鮮やかなテンポと小気味よいリズム、敏感、繊細な進行は驚嘆に値する。
第2番でも第1楽章の天国的な美しさなど忘れられない。
ラトルの指揮も最高で、ブレンデルに負けないくらい、表情や響きの1つ1つに意味をもたせている。
ブレンデルによる新しい全集の中では第1番の演奏が最も凄く、次いで第3、4番が優れている。
第3番は冒頭から激しい決意を示し、楽譜の読みも驚くほど深い。
第4番も同様で、ブレンデルは自分の思うがままの音楽を、誰に遠慮するところなくやりとげている。
ラトルの意味深い指揮も曲のもつ奥深さをあますところなく表現している。
「皇帝」は極めて思索的、知的な表現であると同時に、音楽には溢れんばかりの生命力が躍動する。
ラトルとの呼吸もピッタリで、ブレンデルの成熟ぶりを明確に示す名演といえる。
成功の原因はブレンデルとラトルの強い意欲であろう。
それはレコード会社の企画に機械的に従ったものではなく、プロの演奏家としてコンサートのスケジュールを無難にこなしたものでもない。
今までに類例を見ない卓越したベートーヴェン演奏を成し遂げようとする両者の、きわめて良心的な仕事ぶりの結果なのである。
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