2009年02月08日
ポリーニ&アバドのブラームス:ピアノ協奏曲第1番
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引き締まった、緊張度の高い演奏でありながら、こぼれるように美しいリリシズムの心と音色のマジックが秘められた最高のブラームス。
ポリーニが、アバドという同じイタリアの指揮者と組んだこの演奏は、ポリーニの澄んだ美しい音と明快きわまりない表現、そしてアバドの流麗でいて筋肉質な表情と確かな造形感覚によって、毅然とした風格のスケールも大きい名演となっている。
ポリーニの演奏は、張りつめた緊迫感の中で劇的なドラマが繰り広げられた名演で、予想される甘いリリシズムにかわって濃密で奥の深いブラームスの世界が追及されている。
全楽章、いささかの隙もない辛口の演奏だが、聴きこめば聴きこむほどに魅せられるカンタービレと豊麗な音色の美しさがあり、強烈な光が作品の中から放射されるかのような鮮烈な印象が与えられる。
その引き締まった表情にはロマンティックな情感も不足しておらず、これを凌ぐ演奏は当分出てこないだろうと思われる。
いっさいの曖昧さも不完全さもないところは以前のままだが、演奏が自然にふくらみ、男性的な躍動感に優しさと大らかさとが漂ってきたあたりにポリーニの円熟を実感させられる。
アバド指揮ベルリン・フィルの風格豊かなバック・アップで密度の濃い共演を実現している。
現代にも歴史的名演は生まれるのである。
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