2009年02月10日
アンセルメのラヴェル名演集
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音の響きをきわめて大切にするアンセルメにとって、ラヴェルの作品はまさに打ってつけだが、ここに収められている演奏を耳にすればそれが納得できよう。
アンセルメのラヴェル演奏は、作曲者の要求している冷たく透明な、そして絹のスカーフのように滑らかな音色を実に巧みに再現しているし、どの曲もアンセルメ一流の巧みな演出と絶妙なリズムの扱いに魅了されてしまう。
1曲1曲を入念・精巧に仕上げた「クープランの墓」、そして高雅な詩情にあふれた「亡き王女のためのパヴァーヌ」は特に素晴らしく、アンセルメの本領が遺憾なく発揮されている。
「スペイン狂詩曲」は一見冷たい肌ざわりながら非常に精緻で華麗な音色はラヴェルにまったくふさわしく、スペイン情緒たっぷり。
「ラ・ヴァルス」と「ボレロ」では、怜悧な中にも退廃的な雰囲気をよくただよわせている。
「ダフニスとクロエ」はなんというデリカシーだろう。これこそ詩情というのだろうか。
「夜明け」の濡れた情感とみずみずしさなど絶品だ。
切ないくらい美しいソロ・ヴァイオリン、鮮明な色彩感を失うことなく、なおダイナミックな中に柔らかさを保ち続けるフォルティッシモなど、まさにアンセルメの最高潮を思わせる。
最高の境地に達した演奏といえるだろう。
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