2009年02月12日
アバドのロッシーニ:歌劇序曲集
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アバドお得意のロッシーニの、よく演奏される有名な序曲をこのディスクは収録しており、選曲の上ではまったく申し分ない。
アバドのイタリア人気質が強く表面に表れた胸のすくような快演で、オケを自在にドライヴしながら、それぞれの作品の持ち味をあますところなく表出している。
作品と演奏者の間にいささかの距離感もなく、まさに自分の歌として歌い上げられた爽快感があり、演奏にみなぎる自発的な音の喜びにも魅了される。
目もさめるようなスピード感とリズムの冴え、カンタービレの快さ、そして音色の輝きと、どこをとっても拍手を贈りたくなるようなアバドならではの快演である。
なかでもアバドの表現のうまさに惹かれるのは、強弱の付け方のうまい「セビリャの理髪師」、各場面を丁寧に描いた「ウィリアム・テル」、活気にあふれた「どろぼうのかささぎ」、リズムの切れ味がよく表情も豊かな「絹のはしご」などで、これらの演奏にはイタリア人アバドの血が躍動している。
トスカニーニの演奏と対照的に、アバドのロッシーニには独特の感覚のスマートさとしなやかさがある。
ちょっと軽く流れるきらいもあるが颯爽として、ザックリとしたおおまかなアプローチなのに表情は豊かだ。
アバドにはロンドン響との旧盤もあるが、ヨーロッパ室内管との演奏の方が響きが充実しており、その歌によりしなやかで強い芯があるのも事実で、アバド円熟の棒さばきが光っている。
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