2009年02月26日
ゼルキン/ブダペストSQのシューマン:ピアノ五重奏曲
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ゼルキンとブダペスト四重奏団のシューマンのピアノ五重奏曲は、この顔合わせであればこそできたスケールの大きな演奏である。
ゼルキンは、持ち前の表現意欲でぐいぐいと弾き込んでゆく。
ブダペスト四重奏団は、強固な合奏力と豊かな表情で、そのゼルキンの濃厚な表現の力、強靭なデュナーミクと五分に渡り合う。
新即物主義から出発したブダペスト四重奏団だが、ステレオ時代に入ってからは、そうした客観性を基盤としながらも表現の自由さと大きな振幅を身につけ、より鮮烈な情動を秘めた演奏を展開するようになってきていた。
しかもシューマンらしい内省にも事欠かない。
ここに聴かれるゼルキンとブダペスト四重奏団は、強烈な音楽的個性が対等にぶつかったときだけに聴かれる、室内楽の醍醐味のひとつの極致を余すところなく示している。
ヴェテランの熱演だが、単に情熱的というだけではなくテンポをかなり自在に動かし、ロマン的に歌いあげていて、緩急自在のその音楽運びはさすがに味わい深い。
カップリングのブラームスの弦楽四重奏曲第3番は情熱の奔流をいくぶん抑えようとしているようだが、時にコントロールが利きかねるところがある。
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