2009年02月27日
カラヤンのレスピーギ:ローマの噴水、ローマの松
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カラヤンのレスピーギ「ローマの噴水」「ローマの松」は、曲の細部にまで神経がよく行き届き、構成的にもよくまとまっている。
「ローマの噴水」の方はやや色彩感に乏しいが、カラヤンらしい演出のうまさは、ローマ三部作中最も芸術的と評される「ローマの松」によく表れている。
特に第1曲など荒削りでマッシーヴな音の捉え方をしているミュンシュのとは全然正反対。テンポを遅めにとった入念な分析的演奏から驚くほど新鮮な響きが生まれる。
第2曲以降では、弱音の領域の微細なコントロールが驚異的であり、これによってこの曲の面目は一新した。
第4曲の捉え方も非常に面白い。
出だしのピアノ・ピアニッシモを真面目にコントロールしているので、後半の盛り上がりが、物凄い効果をあげる。
最後の小節の上拍では、オーマンディなど、第3、4拍の打撃音2拍に大太鼓を補強しているようなのだが、そんなことをしなくても充分楽譜通りで効果的なのである。
トスカニーニだったら、カラヤンと同じ考えをとるだろうし、トスカニーニの行き方の究極を究めたようなのがカラヤン盤なのである。
それにしても、録音技術のこれだけ進んだ現在に、トスカニーニのような大指揮者が存在しないなんて、運命とは皮肉なものだ。
録音は、通常CDでも鮮明であり、この黄金コンビの演奏を高音質で味わうことができるのを大いに喜びたい。
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