2009年03月08日
ハスキルのモーツァルト:ピアノ協奏曲集
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いくぶん録音は古くなったが、モーツァルトを弾かせたら当代随一とまでいわれたハスキルの名演である。
モーツァルトの演奏家は数多いが、ハスキルは最高位に置かれよう。
彼女の天衣無縫のような、少しも技術や訓練を意識させない演奏は、自然な流れの中に豊かな感情の起伏を反映させている点で、独特の魅力をもっていた。
特に変ホ長調協奏曲K271《ジュノーム》は、ハスキルがしばしば取り上げた作品である。
ここで彼女のフォルテピアノに匹敵する軽やかで明快なタッチは、旋律から簡素で純粋な美しさを引き出している。
イ長調協奏曲でもハスキルの解釈は本質的には変わらないが、後期の作品のスケールの大きさに見事な対応を示している。
また、陰影に富んだこの曲の美しさを十分に再現していて素晴らしい。
ことに、暗くロマンティックな情緒にあふれた第2楽章は絶品である。
ここで彼女が示した豊かなエネルギーと生命力もまた、モーツァルトの音楽と本質的に対応する。
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