2009年03月11日
グールドのバッハ:ピアノ協奏曲集
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いずれもグールド唯一のスタジオ録音。
元々はチェンバロ協奏曲という指定ではあるが、バッハを得意としていたグールドがピアノで演奏したディスクをここでは推したい。
グールドはピアノを用いながら、チェンバロのような効果を出し、歯切れのいいフレーズ感で、バッハの曲のプロポーションを明確に描き出している。
チェンバロとは異なり、タッチに微妙な変化をつけられるピアノの長所を存分に生かした演奏だ。
またグールドはチェンバロに近い音を出すために特殊なハンマーを取りつけるなど、改造したスタインウェイを使用したバッハ演奏である。
その音色は第4番の終楽章では古雅な効果を発揮し、第5番の第2楽章でも雰囲気満点の美しさとなった。
ペダルは抑制され、声部の動きが実に明瞭だ。
たくましいダイナミズムを根底に持ちながら、才気溢れる閃きを随所にみせ、緩徐楽章では独白的・詩的なマルカート奏法が曲の透明感をよく出している。
原譜にない装飾音を自由に加えているのも、当時の演奏様式を研究した結果だろう。
全体としてはグールドのタッチやリズムが非常に現代的で、静けさに乏しいところに抵抗を覚えるムキもあるだろう。
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