2009年03月11日

グールドのバッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年盤)


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22歳の時、この曲でセンセーショナルなデビューをしたグールドが、その死の1年前の1981年に再録音したもので、いわばグールドの"白鳥の歌"となったディスクである。

グールドは、この変奏曲を2度録音している。ここに挙げたのは死の前年(1981)の方で、デビュー当時(1955)よりもテンポは遅く、驚嘆させるよりも、じっくり聴かせようとしている。

1955年録音のデビュー盤は、生き生きとした躍動感によってセンセーションを巻き起こしたが、そのドライブのかかったような前屈みのリズムに反感を持つ人が多かった。

だが彼の最後の録音となった1981年盤は、そういうエキセントリックなところが消え、代わりに演奏の彫りもずっと深くなり、非常に感動的だ。

グールドのこの81年盤は、個々の変奏の性格の微妙な描き分け、変奏曲同士をつなぐ呼吸の絶妙さ、そして彼自身が「演奏を楽しみ、それに全霊を傾けている」という点で、曲の長さを忘れて聴き惚れさせる。

彼のバッハ演奏の集大成とでもいうべき演奏で、鮮やかにテンポの対比をとりながら、考えぬかれた表現となっている。

全体に静かな印象を受けるが、それだけに後半、それも終り近くの急速な変奏が鮮やかに浮かび上がってくる。

ピアノの響きは豊かでも、重くなく透明感がある。

作品に生気を吹き込む演奏という行為の使命が最高度に全うされた美しい例である。

この新盤は旧盤と"好一対"をなすものであり、双方を聴き比べることによって、はじめて理解される性格をもつ演奏である。

その微細なタッチを余すところなく捉えた録音も魅力的だ。

グールド一世一代の演奏と言っても過言ではない。

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1. バッハでグー  [ 気まぐれマニア ]   2010年10月14日 14:44
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンというGW恒例の音楽祭… 地方の人にはあまりなじみがない(金沢は例外?)気がするが、 東京では音楽好きでない人にも知名度が高いようである。 私はクラシック好きになってそう長くなく、色々な作曲家の 曲を聴いて楽しみたいと思っ...

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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