2009年03月13日

ヘルマン・アーベントロート


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アーベントロートという、文字通り"夕映え"のように美しい名前を持ち、一説によると西ドイツのブラント元首相の実父といわれるこの往年の名指揮者は、第2次大戦後東ドイツに住んだため、存命中は日本に知られることはなかったが、幸い、ドイツ・シャルプラッテン・レーベルの数多くの録音が紹介されてからは、その人間味あふれる名演を聴けるようになった。

彼は晩年、ワイマール音楽院の院長をつとめ、同市の名誉市民でもあったが、豪奢な車などには乗らず、いつも愛用の自転車で町を走りまわっていたので、子供から老人にいたるまで市民の人気を一身に集めていたという。

ハイドンの「第88番」は彼の数多いシンフォニーの最高傑作の一つであり、フルトヴェングラー、ワルター、クレンペラー、クナッパーツブッシュなどの名指揮者が競って録音しているが、いずれもアーベントロートの敵ではない。どうか聴き比べてみてほしい。

とりわけ両端楽章の、速いテンポでたたみかけるように進めてゆく緊張感が抜群であり、音楽が生きていることは比肩するものがない。

しかも、現今の若い指揮者の皮相なスピード感とは異なり、音楽の内容が次々と掘り起こされ、抉り出されてくるさまは圧巻といえよう。

「悲愴」はもっとも、第1、4の両楽章はあまりにも遅いテンポによる主観的な演奏ゆえ、抵抗をおぼえる人もいるだろうが、第1楽章のクライマックスの迫力、第4楽章の悲しみの歌など、他のCDからは絶対に聴くことのできないものだ。

文句なしにすばらしいのはスケルツォである。これ以上彫りの深い、緊密な、細部まで生きた表現は例があるまい。ティンパニの阿修羅のような轟きや、驚嘆すべきテンポの動かし方なども言語に絶する。  

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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