2009年03月14日
C・デイヴィスのベルリオーズ:レクイエム,テ・デウム
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1969年、ベルリオーズ没後150年を記念して録音されたディスクで、デイヴィスが渾身の力をこめて驚くほどの大熱演をしている。
当代きってのベルリオーズ演奏家であるデイヴィスの指揮だけに、音楽のつかみかたが的を得て射ており、しかも、かなり大胆で独創的な面白さをもっている。
「レクイエム」は、コンサートでの実演がどの程度までディスクに収録できるかの実験曲みたいなところがあり、その点CDで聴くのに最も適しており、壮観な音楽空間が展開する。
原曲の指示にはない少年合唱を用いたり、実に鋭くリズムを強調したりしており、この曲の全く新しい側面を見ることのできる演奏だ。
総体的に鋭い切れ味の演奏で、なかでも圧巻の「ラクリモーザ」での心の中まで突き刺すようなリズムはデイヴィスならではのものだ。
デイヴィスはこの録音の当時、ロンドン響とともにベルリオーズ作品を精力的に録音していたが、これもそのひとつで、指揮者はもとより、オーケストラの意気込みも凄まじく、数あるロンドン響の演奏のなかでも、最高の力演のひとつとなっている。
「テ・デウム」でもベルリオーズのスペシャリストをもって任じていたデイヴィスの熱い迸りが、真正面から聴く者に襲いかかる。
音楽的密度の高さといい、合唱団、少年合唱団ともども全力をつくしての名演だ。
デイヴィスは引き締まったテンポ設定の中で、音楽に一層ふくらみを持たせ、この大人数の演奏者たちを自由に操っている。
音の底力が厚く、デイヴィスの白熱した燃焼と集中が素晴らしい。
この2曲の最も雄弁で熱っぽいCDといえる。
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