2009年03月15日
フィッシャー=ディースカウのシューベルト:歌曲大全集
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F=ディースカウは古典から現代までにわたり、信じられないような量の声楽曲を歌い、演じ、録音してきた。
その膨大な録音群の中でひときわ高峰をなしているのがこのアルバムである。
F=ディースカウによる「大全集」は、まさに偉業というべきもので、好きとか嫌いとかいう次元を超えている。
将来1人の歌手がシューベルト歌曲全集を果たして録音できるかの疑問を越えて、F=ディースカウとムーアの全集はドイツ・リートの楽しさを徹底して教えてくれる。
これをもって毎日少しずつ聴いてゆく醍醐味!
シューベルトの歌曲のうち女声用を除いてほとんどここに歌い切ってしまった彼のこれらの歌には、いわゆるやっつけ仕事としての歌唱がまったくないということも驚嘆すべきことだ。
あらためてこの20世紀最高のリート歌手の存在の大きさを思わずにはいられない。
ムーアとのコンビによる共同作業の最高の結晶である。
むろん、F=ディースカウがいればあとはいらないなどというわけでは全くないし、私も彼のレコードを日頃愛聴しているかというと、必ずしもそうではないことに気づく。
しかし思えば、F=ディースカウの規範的な歌唱があればこそ、もう少しクセのある歌手や独特の味わいを持った歌手たちの演奏を安心して楽しめるのかもしれないのだ。
ドイツ・リートのレパートリーをそれこそ網羅的に歌っているF=ディースカウだが、この『シューベルト歌曲大全集』は、最も驚嘆すべき業績の一つと言うことができるだろう。
ムーアのピアノ伴奏で400曲以上のシューベルト歌曲を録音したこの大全集には、日頃滅多に歌われない、しかしまさに珠玉のような歌がたくさん収められている。
とくにゲーテの詩への反応がよく、シューベルトの健康で男性的な一面への共感が際立っている。
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