2009年03月17日
ザンデルリンク&ベルリン響のシベリウス:交響曲全集
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ザンデルリンクの指揮はまさに堅実そのものである。しかしこの演奏ではその中に、作られた効果抜きで、美しいニュアンスを盛っている。
このひとの音楽の中には、どこか身をこわばらせながら内側で熱い風を吹かせているようなところがあり、それが情にのめり込むまいと心に決しながら、しかも足もとは断崖に立って辛抱しているような姿であるところが大変面白い。
弦や木管はもちろん、金管までも美しくつや消しされて、色彩の沈んだ北欧的感性の固有の美しさが大変よく出ている。
全体をまとめる構想も堅固なもの。
ひたひたと押してゆく着実な足どりはザンデルリンクに特有のもので、第2番では最後を大見栄きってわめき散らすような児戯的な盛り上げ方をしない。
それでいて、緊張感は静かに高まっている。
地味ながら好演である。
堅実さと素朴さが密着し、徹底的な合奏美を目指した、いかにもドイツ的な演奏だ。
第6番がひときわ素晴らしく、あらゆる細部が見事に統率され、しかもアンサンブルがきめ細かく、すべてが磨きぬかれている。
透明度の高い音にはヒューマンなぬくもりがあり、それがシベリウス特有の旋律を歌っているのも好ましい。
第7番も同様の演奏だが、この曲ではいっそう幻想的な情緒の広がりが欲しい。
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