2009年03月19日
ワルター/コロンビアのマーラー:交響曲第1番「巨人」
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「巨人」はワルターの数多いレコードでも、1,2を争う秀演で、曲の抒情と大胆な楽想の変化、劇性の起伏が完全にワルターのものとして消化されている。
ワルターはこの曲の抒情を輻輳した気分の転換、そしてユニークな書法を完全に消化し、一篇の長編のようにまとめている。
その格調の高さ、一分の隙のない構成も稀有のものである。
ワルターの演奏は、自然な確信にみち、作為のない音感と、明晰な造型とをもって、聴く者を大きく作品の世界に引きずりこむ。
マーラーの音楽になんらかの抵抗を感じられないではいられないとしても、そうした抵抗をほとんど無用のものと化せしめるに違いない。
そして、ともかく、レコードが鳴っている時間は純粋にマーラーの音感に彩られるに違いない。
この呪縛は、やはり強烈な体験であろう。
いずれにしてもワルターはマーラーの語法や管弦楽法を完全に掌握しており、そこにワルターならではのぬくもりを実感させる。
オケの弦のひびきなど、若干の弱点もあるけれど、その語り口は充分によく咀嚼されつくされており、今なお刺激的であり、示唆的である。
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