2009年03月20日
ワルター/コロンビアのベートーヴェン:交響曲第4番&第5番「運命」
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ワルターの指揮した、ベートーヴェンの「交響曲全集」のなかでは、偶数番号の作品演奏がよいといわれているが、第4番は、柔和な表情とあたたかさで光った演奏で、ワルターはロマンティックな性格の濃いこの作品を、ごく自然に歌い流しながらまとめている。
この作品のおおらかで屈託のない詩想がなみなみと表現されていて、暗い影の認められない抒情的な幻想が豊かに湧いてくる。
実に音楽の美しさを感じさせる名演である。
フルトヴェングラーのようなスケールの大きさはないが、ことにベートーヴェンの甘い恋愛感情のあふれ出た第2楽章の旋律の高雅なロマンにみちた歌は絶品といえ、他の指揮者には求められないものである。
「運命」はワルターの特性で塗りつぶされて完全にワルターの「運命」になっている。
そこに流れている音楽性の豊かなことには、何人も敬意を表さざるを得まい。
ワルターの晩年のベートーヴェンには信じられないほどの、若々しい気迫から生み出される音楽の新鮮さには驚かざるを得ないが、特に「運命」にはそうした特徴がよくうかがえる。
速めのテンポでさっそうと表現される第1楽章など、全く若々しい。
全体的にはロマンティックな柔和さと、激しい情熱とが同居しているような演奏である。
晩年のワルターが、いままでの波乱にとんだ体験を告白しているかのような感じの表現で、ややゆったりとしたテンポで旋律を歌わせながら、悠然とまとめている。
万人に愛される標準的な演奏だ。
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