2009年03月22日
ワルター/コロンビアのベートーヴェン:交響曲第7番
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ワルターの第7番は、劇的な起伏より純音楽的な美しさを求めた平衡感の強い、音楽的に練りあげられた表現である。
しかし、巨匠的ともいえるスケールの雄大な音楽で、81歳の指揮者とは思えない緊張力と生命力に感嘆させられてしまう。
野性的といえるほどに情熱的なこの第7番を、ワルターは平穏な特徴をつかんで演奏しているところに特色がある。
大人しく、表だった迫力や推進力よりも、ご飯をゆっくり噛んで味わうような趣があり、それはそれで美しい価値がある。
スケルツォと終楽章をトスカニーニと比較してみると、その特徴がよくわかる。
ワルターのように、円満な表情でいたずらにまくし立てない壮麗な雰囲気をもった演奏も、ドイツ流の伝統的なものとして尊い。
ギリシャ的舞踏の聖化を、ワルターは柔軟で優美な形象の雰囲気から描き出そうとする。
終楽章にしても、はめをはずした歓喜の酩酊はなく、ワルターは香り高い酒の匂いを楽しんでいる。
歓喜のなかに沈思を求めたのがこのワルターの「第7」である。
また第2楽章での、前打音を拍の前に出す扱いは珍しい。
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