2009年04月03日
クリュイタンスのベルリオーズ:キリストの幼時
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この作品はクリュイタンスの資質にぴったりして、間然するところがない。
ベルリオーズの激しい情熱の反面にある静かな抒情のひとときが、何よりベルリオーズその人の人間性を描いている。
クリュイタンスのベルリオーズに対する"愛"が、こまやかに語られる。
クリュイタンスの長所が生かされた演奏であり、みずみずしいエレガントな雰囲気と香りは何ものにも代えがたいものだ。
特に風景の喚起力は抜群で、聴き手を牧歌の異空間や、この上なく自然に、親しみを感じさせながら誘い込む。
そして全体を夢見るような浮遊感と臨場感を漂わせながら、ちょうど映画のシーンの転換のように、情景をなめらかに移し換えてゆくのである。
クリュイタンスは、こういう劇的表情のものになると、曲の動きとその情緒的な展開をうまく一致させている。
交響曲などでみせる冷たさは少しもなく、見事である。
オーケストラもうまい。
歌手では特にテノールのジロドーとバリトンのノゲラが素晴らしく歌い上手で申し分ない。
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