2009年04月04日
クリュイタンスのベルリオーズ:幻想交響曲(スタジオ録音)
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ステレオ初期の名盤といわれていたものだが、CD化され、その音もみずみずしく蘇っている。
クリュイタンスの「幻想」にはこのほかにパリ音楽院管弦楽団との来日公演盤もCD化されているが、金管のパートにやや荒さが目立つのと、録音の点で、ここではこのフィルハーモニア管弦楽団のほうをとった。
クリュイタンスの解釈は、ロマンティックな情緒を現代的な感覚で処理したところにある。
したがって情感の潤いにはやや不足する点もあるが、少しも固くならず、やはり柔らかく冥想的な要素をはっきりつかんでいる。
まことに徹底した「幻想」の表現である。
曲の開始第1音から終楽章の最後の和音まで、すべての楽想が生き生きと再現されているばかりでなく、曲想のくまどりがくっきりとしているし、その上ごく自然でしかも生気に満ち、馥郁たる香気を放つ。
単に曲想が克明に描き出され、ファンタジーに満ちているというばかりでなく、気品があるということが、何よりクリュイタンスの特長なのである。
イギリスのオーケストラなので音色に華やかさこそないが、現代的で音色感のはっきりしたこのクリュイタンス盤を推奨したいと思う。
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