2009年04月05日
バルビローリのプッチーニ:蝶々夫人
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イギリスの名指揮者バルビローリは、マーラー、シベリウス、ブラームスの交響曲やイギリスの管弦楽曲の録音が有名だが、オペラにおいても名演を残している。
パーセルの「ディドとエアネス」やヴェルディの「オテロ」と並んで、この「蝶々夫人」は、このユニークな名指揮者の芸術を偲ぶ上でも、彼のファンには忘れ難い一組だろう。
プッチーニという"世話物オペラ"の巨匠の作品を、バルビローリほどに、濃やかな情感、感情面に光を当て、美しい抒情の世界として描き出した指揮者はほかに例をみない。
バルビローリの晩年を特徴づける美しい抒情性とスケールの雄大さ、そして温かく細やかな情緒の表出を満喫できる。
この指揮者の演奏を愛する人なら、これもまたかけがえのない魅力を味わわせてくれる宝物となるはずだ。
ローマ歌劇場オーケストラの技量に不満も残るが、この曲の最も美しい演奏のひとつが、バルビローリ盤であるのを疑う余地はないだろう。
愛らしくて、男なら抱きしめたくなるような魅力をもつ若き日のスコットの蝶々さんは、心理描写が巧みで、幸福の絶頂から絶望して自決するまでの蝶々さんの心の動きを見事に演唱しきっていて、蝶々さんの悲劇に切実な真実味を与えた稀有の名唱だ。
このスコットの身上である絶妙な心理表現の綾に、ベルゴンツィの若々しい美声による様式美に満ちた格調の高い名唱や、人間性の表出においてシャープレス役随一の名唱といえるパネライの滋味あふれる役作りが加わって、この名盤の価値をいっそう不動のものにしている。
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