2009年04月12日

バックハウスのシューベルト:楽興の時


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バックハウスならではの端然とした表現にひかれるディスクだ。

バックハウスのようなヴィルトゥオーゾ型のピアニストが演奏した《楽興の時》は、いうなれば「鶏を割くに牛刀を用いたケース」と考える人がいるかもしれない。

周囲を見れば小曲向きの、小回りのきく器用なピアニストが少なくないではないか、と。確かにそうなのだが、この種のピアニストが演奏した《楽興の時》には、共通する短所がある。とかく作品が矮小化されてしまうこと。

そこにいくとバックハウスは違う。彼はこまごまとしたことには神経質にならず、実におおらかに演奏を繰り広げてゆく。ピアニストとしての器の大きさが、それを可能にしているのだろう。

おおらかなその演奏の内部にはシューベルトの抒情があふれ、それに加えて作品に対するバックハウスの温かい思いやり、バックハウスならではの風格も感じられる。

バックハウスの演奏というのは、ベートーヴェンを弾いた場合もそうだが、実に淡々と弾きあげていながら、そのなかに、枯れた味わいといったものがある。

ここでも堅実そのものの表現を行いながらも、そこに、即興的な適度な"遊び"の気分を表出していて聴かせる。

感傷的な抒情はいっさい排除されているが、いいたいことはいい切っているといった、音楽にとって真にエッセンシャルなものだけが提示されているシューベルトである。

何の気負いもなく、誠実にシューベルトに対しているバックハウス。親しみを覚える演奏である。

シューマンでも、決してこの作曲家のロマンティシズムには溺れない。二次的な雰囲気は全く漂っていないのに、その演奏はまぎれもなくシューマンの想念を伝えているのである。

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classicalmusic at 03:44コメント(0)バックハウス | シューベルト 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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