2009年04月21日
バルビローリ&ニュー・フィルハーモニア管のマーラー:交響曲第5番
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バルビローリのマーラーでは、BPOとの第9番が有名だが、それ以外ではNPOを振った第5番が、温かく、哀切極まりなく、限りなく感動的である。
あの葬送行進曲が現れてくるとき、身震いしない聴き手がいようか!? これほど戦慄的な感動はレコードでは滅多に体験することができないだろう。
1969年7月16〜18日の録音で、サー・ジョンが卒然として、この世に訣別する、ちょうど1年前の録音である。
バルビローリの前では、オーケストラはひとつの機能的な「楽器」ではない。
ハートを持ったミュージシャンの集合として一人一人が指揮のアプローチに共感し、今自らその渦中にある音楽をバルビローリ同様に愛し、ともに歌いともに涙する。
その最高の例のひとつがこの録音だ。
フレーズの隅々まで、高い集中力は途切れることなく、マーラーの陰と陽、躁と鬱、情念のうねりを語り尽くす。
バルビローリは演奏した音楽すべてを愛したが、演奏スタイルが最も音楽に合っていたのはマーラーだったかも知れない。
対位法を駆使した壮麗な終楽章の各声部、パーカッションの一打ちに至るまで、人間的な訴えとなって交錯する演奏は、ほとんど例を見ない。
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