2009年05月06日
ブーレーズ&シカゴ響のバルトーク:管弦楽のための協奏曲
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ブーレーズはこのところ、随分角がとれておとなしくなった。
このバルトークも極めて洗練された表現で、モダン・ミュージックの古典のようにアプローチしている。
だがスコアの読みの深さはさすがで、曖昧な箇所は一つもなく、書かれてある音符はすべて耳に届く趣向になっている。
ブーレーズの演奏は、バルトークの管弦楽法の精髄を示すような、極めて緻密な曲づくりである。
それぞれの楽器の動きが細部にいたるまで明晰に描かれ、立体感のある音響空間を作り出している。
まるでスコアの透かし彫りをみるような演奏で、いかにも頭脳明晰なブーレーズらしい表現だ。
そして何度かおとずれる恍惚とした美しい響きの瞬間。すみずみまで現代的な感覚を生かした演奏といえよう。
シカゴ響のアンサンブルも精緻そのもので、その腕の確かさはまさにこの曲向きというべきだろう。
その名人芸的なアンサンブルも緻密この上なく、コンチェルタンテな部分では、このシカゴ響の凄さが威力を発揮する。
現時点でのリファレンスともいうべき、揺るぎないスタンダードといえるだろう。
組み合わされた《4つの小品》も、見事というほかはない名演といえる。
円熟のブーレーズの手にかかると、実に都会的に洗練された音楽になってしまう。
歳月の経過を、改めて感じさせる1枚ではある。
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