2009年05月10日
ミケランジェリ/ヴァチカン・レコーディングス
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ミケランジェリの1960年から1987年までのヴァチカンでの演奏会の録音を集めたもの。
海賊盤がひしめいているミケランジェリのCDだが、巨匠の没後、側近の一人であったレコーディング・プロデューサー、ウォルフラム・ブルゲルトが遺族の意向を受けて立ち上がり、正式にオーソライズされた演奏だけを順次CDリリースしていくことになった。
メモリアABMというのがこのシリーズで、この4枚組は記念すべき第1弾である。
生前のミケランジェリがヴァチカンで行っていたコンサート録音をヴァチカンから返却してもらい、巨匠自身がCD化を考えていた演奏である。
古いものは1960年の「皇帝」協奏曲(指揮マッシモ・フレッチャ)、1962年のシューマンのピアノ協奏曲(指揮カヴァッツェーニ)だが、中心は1987年の録音である。
20ビットのマスタリングが成果を上げており、音質的にも満足のいく内容だ。
"ああミケランジェリだ!"と叫ばせる音の美学が感じられ、およそ通常のピアノ演奏の領域を超越した音と人間との高度な対話の世界へと招き入れられる。
たちのぼる幻想の炎に酔うドビュッシー、鬼気迫るラヴェル、引き締まった音楽性に身も引き締まる協奏曲など、1枚1枚が宝であり、これほど高貴な芸術的香りを感じさせる演奏もないだろう。
アルフレッド・コルトーが「リストの再来!」と絶賛した言葉が実感できる。
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