2009年05月11日
マルタ・アルゲリッチについて
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世の中の多くの誠実なフェミニスト諸氏からは顰蹙を買うかもしれないので、おそるおそる言うのだけれど、真にすぐれた女性の音楽家の比率は、すぐれた男性のそれからみれば圧倒的に少ない。
まるで勝負にならないほどのレヴェルである。何故そうなのか、私にはよくわからないことが多々あるのだけれど…。
そのような状況にあって、きわめて例外的といえる存在が、ほかならぬピアニスト、マルタ・アルゲリッチである。
彼女のピアニストとしての凄さたるや、どうだろう。
彼女がリサイタルをやるというのなら、たとえ直前のキャンセルの危険性がどれだけ高かろうと、飛んでも行きたいと思うだろうし、また、彼女の新しい録音盤であれば、プログラムなど無関係で、ぜひとも聴いてみたいと思う。
このように感じさせるような、凄味のある女性の音楽家の存在は、どこを捜しても、そう滅多にいるものではない。
アルゲリッチは、このところずっと、ほとんど独奏活動をおこなっていない。中心となっている活動は室内楽アンサンブルである。その理由を尋ねられても、「他のひととの共同作業がたのしいから」程度の曖昧な答えしか返ってこず、独奏活動を積極的に否定しなければならないほどの理由はよくわからない。
彼女にとってはそうしなかえればならないはっきりとした理由があるのだろうけれど、私としては、彼女が避けようとしている彼女の独奏活動に対して、特に魅力を感じている。
アルゲリッチの奔放、かつ緻密な音楽性は、他者との共調関係においてよりも、むしろ、ひとりの世界においてこそ、より強烈に発揮されると思うからだ。
ここにあげた8枚組BOXセットは、そうしたアルゲリッチのソロのレコーディング(DG)を集大成したもので、彼女の真の凄さをあますところなく物語る代表的な録音といえよう。
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