2009年05月12日
シェルヘンのベートーヴェン:交響曲全集
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ヘルマン・シェルヘンはLP初期からステレオ初期にかけて夥しい録音を残したが、当時のわが国のレコード批評は概して「我流で恣意的に音楽をつくるクセの強い指揮者」としてあまり高く評価されなかったようである。
確かにクセの強い個性的な解釈を聴かせる指揮者ではあるが、それが、さまざまな演奏の可能性を経験した現代になってもなお、あるいは現代になっていっそう、新鮮で面白く聴こえてくる。
シェルヘンの演奏は、時代よりも進んだ先進性・実験性を有していたのだ。
さてそのシェルヘンの演奏、ルガノ放送録音によるベートーヴェンの交響曲全集もCDで発売されたが、それとは別の正規録音のベートーヴェンのウェストミンスター録音が仏ターラからCD化され、改めてシェルヘンの芸術を楽しく味わうことができた。
シェルヘンはフルトヴェングラーの観念的な解釈とは正反対だ。実際にフルトヴェングラーを意識していたのかもしれない。あいつはどうしようもないディレッタントだと。
シェルヘン自身も自学自習してプロの指揮者になっただけに、いっそうそれがよくわかるのだろう。精神主義くそ喰らえとばかりの演奏だ。
音楽家たちと音を出し、音楽をつくることを面白がり、それに快感を感じながら演奏する。
聴いていてハッとする音像や音楽づくり、そしてユーモアとウィット。そうしたシェルヘンの個性はベートーヴェン演奏に鮮明に表れている。
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