2009年05月15日
ポリーニのドビュッシー:前奏曲第1巻/喜びの島
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ポリーニの極限にまで鋭敏に研ぎ澄まされた感性、それに奥行きの深さとまろやかさが加わった逸品。
ポリーニの鋭い音感覚と独自の美学が反映され、一瞬の美しさも逃さずに磨きぬかれた演奏だ。
表現においても、タッチと音色においても、これほど徹底的に磨きぬかれた演奏はミケランジェリ以来だろう。
ポリーニは研ぎ澄まされた表現と精妙な色彩をたたえた響きによって、1曲1曲を実に克明に描ききっている。
しかも、厳しい造形と彫りの深い表現をもつ演奏は、まことにデリケートなニュアンスと透徹した詩情をたたえている。
彼は、ひとつひとつの音作りに神経を行き届かせながら、音色の組み合わせに工夫を凝らし、透明感のある響きの美を極限まで追求している。
情緒表現を切り詰め、精妙にして透徹した、彼ならではのイマージュを作りあげたのである。
また、曲中に含まれる、空中で浮遊しているような音響効果について、その空間把握の見事なこと!
ミケランジェリとは違う音の強さとしっかりとした芯があり、それがものすごく輝き、なおかつふくよかなところが残っているのが素晴らしい。
ポリーニのこの演奏を聴くとミケランジェリは聴いていて疲れるし、少し人工的なところがある気がする。しかしポリーニにはそれがない。
ミケランジェリほど時間を置かずに、ポリーニが第2巻をやってくれるかどうか心待ちにしていたが、最近第2巻がようやくリリースされた。
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