2009年05月23日

クレーメル&アルゲリッチのベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集


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異色の組み合わせだが、結果は大成功である。

2人のテクニックがすぐれているばかりでなく、デリケートなニュアンスを要求する部分でも万全の構えである。

クレーメルとアルゲリッチはデビュー当時から、すこぶる個性的な表現で知られ、それによって聴き手を魅了し続けてきた。

大胆と情熱のアルゲリッチに対し、繊細と鋭敏のクレーメル。こんな風にその芸風は大きく異なっている。

だから2人の共演は、激しい緊張を生むことが予期された。

拮抗する2人の独奏家が繰り広げる名技は、スマートで精妙、優れて知的なベートーヴェンに欠かせない強靭な求心力と集中力も必要にして充分なものであり、聴き手を惹きつけた。

前者はクレーメルのリードする力がより強く、後者はアルゲリッチのリードする力がより強く作用したのではないか。

強烈な個性の持ち主である2人が、違いを超えて音楽的調和を手に入れるべく協力し、それを実現するのは、大きな楽しみ、大きな悦びであった。

2人の独奏家の個性が強ければ強いだけ、実現された調和は密度が濃く感じられる。

当盤がまさにそう。

ヴァイオリニストが格上、ピアニストが格下の関係では、こんな演奏は望めない。

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