2009年06月01日
ロジェ&デュトワのラヴェル:ピアノ協奏曲
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ロジェの演奏はあくまでもフランス趣味で、どこまでもエレガントで都会的、洗練の極を示した美しいものである。
ロジェは、落ち着いた表情で弾きすすめながらも、フランス人ならではの、詩情豊かで、センスのよい表現を行っており、強くひきつけられる。
全体に軽いタッチで、ロジェはラヴェルの感覚的な洗練性を描き上げる。
ピアノ協奏曲はこれぞラヴェルと言いたい美しさだ。
ロジェの抑制の美学はこの曲にぴったりだが、それだけに終わらず、洒落たデリカシーや粋なリズムが恍惚の一時を約束してくれる。
技巧の冴えと情熱では、アルゲリッチに一歩を譲るが、洒落たエレガンスにおいては、むしろロジェの方が上といえよう。
特に第1楽章第2主題や、第2楽章の深沈とした美しさは特筆に値すると思う。
左手のためのピアノ協奏曲も小味なはかなさが詩情を呼び、まことに品がよい。
この曲のジャズ的な要素や、ラヴェル独特の情感といったものを、ものの見事に表現した演奏で、ピアノの響きの美しさも秀逸だ。
デュトワの指揮はさらに見事で、そのチャーミングなパリの哀歓の表出は、現在彼以外の指揮者では成し得ないだろう。雰囲気のよい音楽をつくりあげていて素晴らしい。
またデュトワ指揮のモントリオール響が、実に美しい管のソロを聴かせ、ラヴェルのオーケストラ・パートの魅力を改めて示している。
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