2009年06月02日
ボロディンSQのチャイコフスキー:弦楽四重奏曲全集
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さすがにロシア人による演奏だけあって、その民族的な情感の表現のしかたは素晴らしい。
いかにもロシアのグループらしい、メランコリックで熱気に溢れた演奏を聴かせる。
ことに第1番第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」の部分も、実に感情のこもった歌いぶりで、リズムの扱いや、ニュアンスのつけ方は、卓抜である。
特に中間部のしゃくり上げるような、独特のフレージングはロシアの団体ならではのものだといえる。
第2番第2楽章での速度の変化や民族的リズム感、そして緩徐楽章の抒情的な息吹も、ロシア独特のものであろう。
終楽章のロシア的舞曲の扱いも、いかにも本場物といった自信に溢れた演奏になっている。
しかし、決してそれらに溺れきることで自己満足しているわけではない。
表情に実に細かい神経を使いながらも、音楽の輪郭を大切にして構成感を尊重しているため、ゆるぎない大地の上に音楽が乗っているようだ。
また、もう1つの大きな特色は、最近の四重奏団に共通する、鋭さを持っていることである。
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