2009年06月03日
レヴァイン&フィラデルフィア管のマーラー:交響曲第5番
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レヴァインが新進気鋭だった1974年から取り組み、第2&8番は未収録に終わった全集の第4弾、フィラデルフィア管弦楽団との初顔合わせ録音だった。
「第5」はレヴァインのマーラー演奏の本質を最もよくあらわしているが、けっして表面的なものではなく、すばらしい緻密さと豊潤さを保ちながら、しかも、抒情性や情感、虚無感なども過不足なく表現している。
レヴァインのマーラーは、他のユダヤ系演奏家による粘っこいものとは違い、表面はややさらりとして明るいが、音そのものは恐ろしく緻密に磨き抜かれている。
醒めた現代人らしい解釈で、スコアをとことん追い込んで、しかも類稀な美しい効果を発揮している。
レヴァインにとってマーラーの交響曲は、思い入れの対象でも何でもなく、ただ従来から存在する歴史的な名曲のひとつに過ぎないのであろう。
フィラデルフィア管弦楽団という名人集団を自在に操って、マーラーのスコアを容赦なく音に翻訳し、あるがままの姿を聴き手に提示している。
フィラデルフィア管という名人オケを振っているということもあって、フォルティッシモでも少しもうるさくならず、また弱音もどこかスマート。
それでいて、この曲のもつ一種の崩壊感のようなものは過不足なく伝えている。
名演というべきで、ここから何を感じ取るかは、聴く者ひとりひとりのイマジネーションであろう。
ヴィルトゥオーゾ・オーケストラの輝かしい表現力も、レヴァインが求める音楽と響きのために最大限に奉仕しているようだ。
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