2009年06月06日
ヨーヨー・マ&アックスのベートーヴェン:チェロ・ソナタ全集
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ヨーヨー・マは1955年に台湾系中国人を両親としてパリに生まれたが、まもなく渡米し、ジュリアード音楽院でヤーノシュ・シュタルケルとレナード・ローズに師事した。
そのすぐれた才能は早くから評判となり、欧米各地でオーケストラと共演、多くのリサイタルを開いて絶賛を博した。
いまや現代最高のチェリストの一人として注目されている。
彼が、ポーランド生まれで、アメリカを中心に活躍しているピアニスト、アックスと組んだこの演奏は、新しい資料による新ベートーヴェン全集によっているため、これまでのとは多少違っている。
このふたりの演奏は、ロストロポーヴィチとリヒテルの熱演とは対照的に、穏やかでのびのびとしている。
マのチェロは、持ち前の美音とすぐれたテクニックで、実に素直に悠然と弾きあげている。
マのソロはきわめて豪胆で明快、曖昧さのない切れ味の鋭いもので、全体に引き締まった好演である。
アックスのピアノもマとぴったりと呼吸が合っており新鮮で実によく付けていて、マとともに最上のアンサンブルといえる。
ソナタでは実にしなやかで伸び伸びとした運びの中に、チェロとピアノのぴったりと呼吸の合った二重奏がかもしだす抒情のかぐわしさは、他に類をみないもので、自然体・平常心で臨んで曲の味わい深さを出した好演。
「魔笛」の主題による2曲もヨーヨー・マの技巧は優れていて危なげなところはどこにもなく、短調の変奏での深く熱っぽいチェロの歌が胸を打つ。
アックスのピアノもしっかりしている。
ネアカのベートーヴェンだが、両者の和気あいあいのアンサンブルのせいで、これらの作品が実に楽しく味わえる。
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