2023年02月08日
🧽すみずみまで手入れの行き届いた🧩チームワークに満ちた☮️穏やかな表現🕊️アシュケナージ&パールマン&ハレル🤝ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第7番「大公」
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アシュケナージのピアノ、パールマンのヴァイオリン、それにハレルのチェロによる演奏を、現代を代表する名演として推薦したい。
1980年頃、ソリストとして最も人気が高かった3人による演奏だけに聴きごたえがある。
アシュケナージはパールマンと組んで『ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ全集』を完成、その後で「大公」を録音した。
ハレルは「大公」の録音後にアシュケナージと組んで『ベートーヴェン/チェロ・ソナタ全集』を完成している。
この3人は、アシュケナージをキーマンにして、ベートーヴェンに積極的に取り組んでいた演奏家たちである。
アシュケナージ=パールマンの二重奏コンビにハレルが加わったこのトリオは、スケールの大きさは感じさせないけれど、なめらかでみずみずしい音楽づくりを特色としている。
3人の名手はそれぞれ、独自のコンセプトの持ち主で、豪快に競い合い、まさにコンチェルトのような派手さを聴かせる。
また同時にインティメート(親密)なアンサンブルも楽しく、室内楽的な親しみも感じさせる。
ベートーヴェンに対してはほぼ同じ考え方をしている3人の、なんともチームワークのよい三重奏である。
おもにピアノのアシュケナージがリードしているが、色彩にとんだ豊麗なパールマンのヴァイオリンともよく溶け合っており、ハレルのチェロも端正で無駄がない。
3人のリズム感も素晴らしく、細部にいたるまでよく神経の行き届いた演奏である。
この3人による演奏はほれこんでしまうような巧さがある。
単にテクニック抜群の3人が集まっているというだけでなく、見事な意思統一があるのだ。
その結果、音楽的にも技術的にも、なんの不安もなしに楽しめる「大公」が生み出された。
「大公」は聴く者に安心感を与えるような、よくまとまった好演で、心に訴えかけるおだやかな情感をたたえていて、さすがと思わせる。
特に第3楽章の変奏曲での緻密な合奏は、美しい効果を発揮していると言える。
協奏曲的に演奏した3名人の共演は、この曲のスタンダードともいうべき、素晴らしい名演になっている。
けれども、ベートーヴェンの気宇広大の表出という点では、多少物足りなさが残る。
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