2009年06月08日
シノーポリのエルガー:交響曲第1番&第2番
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エルガーの管弦楽法はかなり複雑で、各楽器を重ね過ぎているため明快に響かせるのは難しい。
しかしこれをうまく響かせた場合の重厚な味わいは、たしかにエルガー独自のものである。
シノーポリは、イギリスの指揮者が伝統的に踏襲してきた解釈とは異なる独自の視点から、エルガーを眺めている。
第1番は精緻な分析と総合を経て構築された造形をもとに、イギリス風というよりも、純音楽風に運んだ説得力の強い名演である。
第1楽章の自己主張の激しさなど、シノーポリがただものではないことを示している。
第2番におけるシノーポリのこってりとした解釈には、明らかに世紀末ウィーンの影がさしかけているように思われる。
全体に遅めのテンポで細部を克明に描き出しているので、エルガーの作品からは通常感じられない濃厚な味わいが出ている。
それはこの演奏の魅力となっている反面、シノーポリ流のかなり独断と偏見を感じさせる解釈から来た味なので、本来のイギリス風スタイルの演奏とは一線を画するものといえよう。
「威風堂々」の2曲も、物凄い迫力の秀演だ。
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