2009年06月08日

シノーポリのエルガー:交響曲第1番&第2番


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エルガーの管弦楽法はかなり複雑で、各楽器を重ね過ぎているため明快に響かせるのは難しい。

しかしこれをうまく響かせた場合の重厚な味わいは、たしかにエルガー独自のものである。

シノーポリは、イギリスの指揮者が伝統的に踏襲してきた解釈とは異なる独自の視点から、エルガーを眺めている。

第1番は精緻な分析と総合を経て構築された造形をもとに、イギリス風というよりも、純音楽風に運んだ説得力の強い名演である。

第1楽章の自己主張の激しさなど、シノーポリがただものではないことを示している。

第2番におけるシノーポリのこってりとした解釈には、明らかに世紀末ウィーンの影がさしかけているように思われる。

全体に遅めのテンポで細部を克明に描き出しているので、エルガーの作品からは通常感じられない濃厚な味わいが出ている。

それはこの演奏の魅力となっている反面、シノーポリ流のかなり独断と偏見を感じさせる解釈から来た味なので、本来のイギリス風スタイルの演奏とは一線を画するものといえよう。

「威風堂々」の2曲も、物凄い迫力の秀演だ。

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classicalmusic at 18:33コメント(0)トラックバック(0)エルガー | シノーポリ 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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