2009年06月13日

ハイティンクのショスタコーヴィチ:交響曲全集


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ヴォルコフ編の『ショスタコーヴィチの証言』はそれまでのショスタコーヴィチのイメージを大きく覆した。

舞台作品にも、室内楽にもその影響はすぐに現れたが、交響曲の解釈にもそれこそ革命的な変化が生じた。

その第一歩を印したのがこのハイティンク盤だ。

しかしロストロポーヴィチに代表されるような「証言」的解釈といえるわけではない。

むしろどんな立場にせよ思想によった解釈ではなく、音楽におのずと思想を語らせた点で、その後の幾多の演奏とも一線を画していると思う。

その透明感と堅実さは他の演奏では聴けないものだ。

その透徹したハイティンクの解釈を通して、全15曲の交響曲はショスタコーヴィチの人生と思想の遍歴を伝えている。

ここにはハイティンクの誠実をきわめた姿勢と、純音楽的演奏様式が一貫してある。

スコアを真摯に見つめることで作品の音楽的な意味を追求しながら曲の内面を掘り下げ、密度の高い音楽と均衡感の強い造形が表現されている。

作品に共通した悲劇的な感情や内部の隠された鋭いまなざしが、装飾や皮相感を伴わずに表出され、本質と美と思想を率直に聴き手に伝えてくれる。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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