2009年06月15日
オーマンディのサン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」
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この曲は壮麗なスペクタクルを強調するか、サン=サーンスのフランス音楽家としての精緻さにポイントを置くかで選択の範囲が自ずから決まる。
壮麗な音の大伽藍を味わおうというなら、オーマンディ指揮フィラデルフィア管の4回目の録音が最高だろう。
フィラデルフィア・サウンドは、あくまでも輝かしくダイナミックで、サン=サーンスの音楽の醍醐味を満喫させてくれよう。
音響効果が最大限に生かされ、豊かなファンタジーと華麗なサウンドが耳に快く、オルガンの響きも相当なパワーで再現されている。
さらにテラークの録音技術が素晴らしく、広いダイナミック・レンジと、歪みのない透明な音質で、実に気持ち良く曲に浸ることができる。
そしてオーマンディの指揮は、ただ輝かしく壮麗に盛り上げるだけでなく、第1楽章の第2部など、しみじみとした抒情を美しく歌い上げ、この巨匠の円熟の境地が存分に味わえる。
オーマンディの巨匠的風格が前面に押し出された演奏で、第1楽章ではゆとりのあるテンポをとって、旋律をのびやかに歌わせている。
第2楽章はすこぶる華々しい緊迫感をともなって、サン=サーンスの精妙な管弦楽法を巧みに表現している。
全体に各部分の構造の意味を的確に把握した表現で、無用な力みや誇張はいささかもない。
フィラデルフィア・サウンドも豊かさの中に美しい陰影感を示し余すところがない。
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